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執筆者の写真Ikuo Kawauchi

『ジュガードイノベーション』"Juggad Innovation"

『ジュガードイノベーション』を読みました。「ジュガード」とは、ヒンディー語で、希少な資源を使って創意工夫で即興又は間に合わせの解決を図ることを言う。ジュガードの6つの原則は、①逆境を利用する、②少ないものでより多くを実現する、③柔軟に考え迅速に行動する、④シンプルにする、⑤末端層を取り込む、⑥自分の直観に従う。イノベーションは、グローバル企業のビジネス成長の重要な柱であるが、現在の厳しい経済環境では、何十年にもわたってイノベーションの取り組みを続けてきた古い方式、つまり高価なR&Dプロジェクトと高度に構造化されたイノベーションプロセスに頼ることは出来ない。グローバルマーケットは将来確実に新興国中心になって行く。一方で、イノベーションも今や欧米を中心とする先進国だけで起こるのではなく、むしろ新興国で従来とは違ったやり方で起こっている。今から9年前に書かれた本著の示唆することは、変動性が高く不確実で複雑曖昧さを含んだ情勢が将来にわたって続くなかで、色褪せてはいない。 I read the book titled "Juggad Innovation". 'Jugaad' is a commonly used Hindi word that means an improvised solution born from ingenuity and using scarce resources. The authors discuss the 6 underlying principles of jugaad innovation: ①Seek opportunity in adversity, ②Do more with less, ③Think and act flexibly, ④Keep it simple, ⑤Include the margin, ⑥Follow your heart. Innovation is a key pillar of business growth for global companies. But in the current tough economic environment, they cannot rely on the old formula that has sustained innovation efforts for decades - expensive R&D projects and highly-structured innovation processes. The global market will surely become centered on emerging countries in the future. On the other hand, innovation is now occurring not only in developed countries, mainly in Europe and the United States, but rather in emerging countries in a different way. The implications of this book, written 9 years ago, have not faded as the volatile, uncertain and complex ambiguity continues into the future.

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